Kotaxの買い物日記

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信長の野望・創造 with パワーアップキット レビュー

こんにちは、Kotaxです。

今日は好きな人は大好きだし、興味のない人にはさっぱり分からないはなし、TVゲーム、それもシミュレーションゲームネタです。

そう、その名も元祖、戦国シミュレーションの最新版「信長の野望 創造 with PK」です。どどん。
元祖と言いましたが、タケノコのように現れては消えるこの業界、実際まともにアップデートされている戦国時代のシミュレーションとしてはこれ一本なので期待も高まります。


それでは、年始から半月ほどやってみた結果のレビューです。
第一印象は良くも悪くもライト。さくさく進みます。

内政

内政もシンプル、選べる開発は3項目(米・カネ・兵舎)、加えて土地の拡張。
序盤はともかく中盤以降は、内政を充実させるよりも、敵地に攻め込む方がはるかに重要な本作。内政は奉行におまかせの単なるボタン押し作業になりがちなところは内政好き派にとっては少し残念ですが、サクサク快適感がこれを上回ります。

戦闘

戦闘はもっとシンプル。基本的にははさみ将棋で片付きます。無印と違って、充実した戦闘画面を選択することもできますが、選ばなくても問題なし。メーカーとしては、いかに戦略上有利な形をつくるのが重要なので、戦術はあくまでオプション、ということなのでしょう。
交戦している部隊の数が増えてくると、大部隊が一同に会する戦術画面に移行でき、ここで相手の部隊長を倒すと全部隊が消滅するという「決選モード」を選べるのですが、実際に使ってみると一時的に敵部隊が消滅しても、直後からまた敵部隊がわらわらと現れるので、結局はさみ将棋でちまちまと倒す方が効率的だったりします。

とにかく先頭では、最前線に絶え間なく将兵を投入しつづけるという、「ギレンの野望」的な要素をもったゲームと言えます。

つまり、受け手に回ると不利です。
なぜなら防御(城の防衛)でできることは限りなく少なく、いくら城の防御力を高めていても強行されればあっという間に(長くても数カ月以内)落ちてしまいます。
こもって籠城戦、敵の兵糧きれを待つ、という楽しみ方をする人にはストレスがたまります。

賛否が分かれる軍団性

一定以上領土が広がると、大名(プレイヤー)が操作できない城が出てきます。任意ではなく強制です。
これは、軍団を設定して、その長に運営を委任する必要があります。
現実の歴史に即した、ある意味リアルな仕組みと言えますが、一方で、自分でコントロールしたい人にとっては、まったくもってつまらない仕組みでしょう。
ある程度の領土と人材がそろえば、あとは任せていれば勝手に天下統一がなります。プレイヤーがやることは、カレンダー送りのボタン押しだけです。

意外と重要な外交

上級以上だと外交が重要です。
といってもこちらもシンプルで、遠交近攻が基本です(逆にこれ以外やることがない)仮想敵国を決めて、それ以外の大名と同盟を結んでおく。場合によっては援軍を頼む。


そのためには、
-商人から家宝を買って、貢物をして印象を高めて、工作で毎月信用を上げていく。
とやることはこれだけです。
どこを仮想敵にして、どこと同盟結ぼうかなぁー、というのがこのゲームで数少ない「考える(ことが楽しい)時間」だったりします。

 

良いところ

とにかくシンプル

特にこういった回を重ねたシミュレーションゲームでは初心者が何をやって良いのかさっぱり分からないことが多いのですが、本作では良い意味でこれを裏切ります。内政も戦争もシンプルで、しかもいつでも時間を止められます。戦闘で「やばい」と思ったらいつでも時間を止めてゆっくり考えればいいのです。

噛めば味わいのある要素

一方で土地の拡張や、その上に立てる建物、あるいは城の拡張など、それなりにこだわれば後の進行が有利になる仕組みもあります。これが目に見えたメリットとして見えずらい、そんなことに力を注ぐ前に他国を占領した方が手っとり早いというシステムが残念なのですが、とにかくちまちま丁寧にやろうとすれば、それなりのこともできます。

また戦国伝という史実発生モードもあって、これを追っていくためにミッションをクリアするという、(あまりシミュレーションらしくない)クエスト型の楽しみ方もできます。

この手のゲームとしては常につきまとう、後半の作業感ですが、ある程度の規模になると、関白なり征夷大将軍に任じられて、惣領無事令でハッピーエンドにすることもできます(もちろんそのまま継続することもできる)。

イメージ的には半分くらい占領した時点でこれが可能になるので、少し早すぎる気もしますが、後半の作業をなくすという意味では絶大な効果があります(笑)

願わくば、史実のように、惣領無事令を発動した後も、従わない大名への征伐くらいはあってもよかったかもしれません。

 

悪いところ

気づけば夜も明けて、でももう1タームだけ、というCivilizationのような没入感は少ないと思います。思うにこれは、

  • 内政の位置づけがあまりに軽すぎるため、領国経営に取り組んで国を造り変えていくという要素に乏しい。
  • 外交は数少ない戦略要素だが、これが基本的にプレイヤーからの一方通行。Comからの働きかけは皆無。
  • とにかく力推し、はさみ将棋な戦闘は、鉄砲などの技術革新が与える影響が見えづらく、作業になりがち。

という要改善点が悪さをしているように思います。

また、惣領無事令を使わずに武力統一を試みた場合、軍団制とあいまって半端ない作業感です。委任しておけばどんどん領土拡張が進むので、領主(プレイヤー)がやることは、季節送りのボタン押しだけです。

 

買うべきか

それなりにはまったので70点。

戦国シミュレーション好きな人は買って損はないと思います。さくっと遊べるところは今風だし、こだわる人にはそれに応えられる要素もちゃんと準備されています。知った人物がたくさん出てくるのもこのゲームのポイントです。
(陶はるたかが美男子になっていたのにはびっくりしましたが(笑))

ただ、シミュレーションというのは、自分で作り出す変化を楽しむゲームだと思うので、そういった意味では、本作では土地・城・人材の変化があまり感じられないのが、やや残念なポイントです。これは次回に期待したいと思います。

この変化を感じられるという点においては、Civilization5の方が、できることの深みと、目に見える変化が全然違うので、はまり度はこちらの方が強いです。もちろんその分「Civilization5」は初心者にはとっつきは悪いし、一方「信長の野望 創造」はだれでも参加できる容易さがあります。前作までのながれを断ち切る「信長の野望シリーズ」と、積み重ねてくる「Civilizationシリーズ」の制作姿勢の違いなのかもしれませんね。まあシミュレーション好きはどっちもやるのが正ということで。

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